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いだてん~東京オリムピック噺~第9回「さらばシベリア鉄道」のネタバレとあらすじと感想

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2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は、毎週日曜日20時からNHK総合他にて放送中です。

前回第8回「敵は幾万」は、ストックホルムへ旅立とうとする主人公・金栗四三(中村勘九郎さん)と、四三のために渡航費用工面のために尽力した春野スヤ(綾瀬はるかさん)が嫁に行くまでを、そして同じく代表選手となった三島弥彦(生田斗真さん)が家族からの理解を得てストックホルムへ旅立つまでが描かれたお話でした。

派手な赤ケットを纏い上京した四三の兄・実次(中村獅童さん)は、四三に頼まれたストックホルムへの渡航費用1800円という大金を用意していました。

その資金は、スヤの許嫁である池部重行(高橋洋さん)の家が用意したものでした。

実次がスヤと共に池部家にお願いに行っても、重行は資金援助に難色を示していました。

しかし、重行の母・幾江(大竹しのぶさん)は、スヤの頼みであれば力を貸す、と言い、金栗家の田畑を1800円で買取り、無償で金栗家に貸す、という粋な計らいをしてくれたのです。

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スヤの頼みであったから幾江は資金を用意してくれたのです。

つまり、スヤがいなかったら四三はストックホルムへ行けなかった事になりますね。

四三と同郷の美川(勝地涼さん)から、四三の兄はものすごい倹約家で、四三が頼んだとしても渡航費用なんて出すはずがない、と聞いていた高師徒歩部の野口源三郎(永山絢斗さん)らは、実次が四三を熊本に連れ戻しに来たのではと勘違い。

自分たちが四三の後援会を作り、全国の師範学校の学生に寄付を募り1500円を用意したから四三をストックホルムへ行かせて欲しいと実次に頭を下げました。

驚いた実次でしたが、野口らのお言葉に甘えて、1500円の寄付を頂き、残りの300円を実次が支払うことになりました。

実次を東京見物に連れ出した四三は、浅草十二階からの景色を見て、故郷・熊本でスヤと共に楽しく過ごしだ日々を思い出していました。

四三は実次に、ストックホルムのような外国まで行って生きて帰れるのだろうかと弱音を漏らします。

四三の弱気な言葉を実次は一蹴し、四三が行かなければ後が続かない、と一喝するのでした。

実次の励ましと家族からの応援を受け、ストックホルムへ前向きになる四三。

四三は、ストックホルム大会のために、播磨屋足袋店の黒坂辛作(ピエール瀧さん)からつま先と踵を強化した足袋を作ってもらいました。

さらに、黒坂から、胸に日の丸がついたTシャツをプレゼントされた四三は、その気遣いに深々と頭を下げるのでした。

出発2日前、高師の仲間が四三のために壮行会を開いてくれました。

場が盛り上がると、四三はスヤが教えてくれた自転車唱歌を大声で歌います。

その頃、熊本のスヤは池部家への嫁入りを行っていました。

スヤの固めの杯も終わった頃、東京の四三は冷水を浴びていました。

そして何かを吹っ切るように、気持ちを切り替えるように「よしっ」と声を出しました。

一方の三島弥彦は、家族からの理解を端から諦め、家族に何も言わずに旅立とうとしていました。

女中のシマ(杉咲花さん)に忠言を受けながら、それを受け入れられずにいました。

そして迎えた出発の日、新橋駅は大勢の見送りの人で黒山の人だかり。

後に新聞に載るほどの混雑ぶりでした。

高師生徒らが歌う「敵は幾万」の歌に見送られながら、四三と弥彦は汽車に乗り込みます。

するとそこに三島家の人々が駆けつけてきました。

弥彦が何も言わずに旅立つことを怒り、弥彦は三島家の誇りなのだから、しっかりとやってこいとエールを送りました。

母が自ら作った日の丸のついたTシャツを握り締め、弥彦は母らの姿が見えなくなるまで窓から身を乗り出し手を振っていました。

ようやく、三島家の気持ちが一つになったのでした。

前回第8回「敵は幾万」を見逃した方は、ぜひこちらをどうぞ。

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それでは、第9回「さらばシベリア鉄道」のあらすじと感想です。

目次

嘉納先生が来ない

明治45年5月16日、新橋から汽車に乗り込んだ四三たち日本選手団。

これから8000km17日間に及ぶ長旅の始まりです。

団長である嘉納が乗り込んでいないことを聞いた四三は、監督の大森兵蔵(竹野内豊さん)の元へ行き問いただしました。

大森が言うには、嘉納は高等師範学校の校長という官員であるため、文部大臣の承認がなければ長期間国外に行くことができないというのです。

手続きさえ終われば直ぐに来るからということで、四三たちは嘉納の到着を待ちつつ先に進みます。

新橋から敦賀までの道のりでは、大きな駅に到着するたびに、オリンピック選手である2人をひと目見ようとホームまで人々が押しかけ、プレゼントをもらい、サインを求められるなど、大混乱が起きていました。

四三は、連日のその状況に興奮し、夜も寝られなくなってしまいました。

寝られなくなった時間に、この度の旅程を日記に書き記そうと思いつきました。

そして書かれたのが『盲目旅行 国際オリンピック競技参加之記』です。

揺れる電車の中で書かれた日記は、字も揺れてしまい読めるようなものではありませんでした。

ストックホルム 青春編

現代、古今亭志ん生(ビートたけしさん)は、四三が書いた旅行記を元に、四三たちの旅の模様を軽快な語り口で噺します。題して『ストックホルム 青春編』

今日の高座では弟子の五りん(神木隆之介さん)がめくり役です。

シベリア鉄道での旅

5月17日、敦賀に到着すると、そこで可児とは別れました。

本来ならば、嘉納は敦賀に到着していて可児と交代するはずだったのですが、役所の役人がのらりくらりと嘉納の手続きを先延ばしにして、なかなか文部大臣の許可が下りません。

四三たちは敦賀から舟に乗り2日間かけてウラジオストクへ向かいます。

5月19日、ウラジオストクに到着しても、嘉納の姿はありません。

シベリア鉄道に乗りこむ段になってもやはり嘉納は見当たりませんでした。

シベリア鉄道では、大森安仁子夫人(シャーロット・ケイト・フォックスさん)は隣の部屋を割り当てられていましたが、他の三人は狭い一室で過ごします。

嘉納が乗るはずだったところはドイツ人旅行者が乗ることになり、四三のがっかりは止まりません。

経費節約のために、食堂車で食事を取るのではなく自炊をしようと提案する大森。

同室となったドイツ人男性は、四三たちが日本からストックホルムへ行くオリンピック選手団であることを聞くと、「ヤマトダマシイ」と連呼してご機嫌で親睦を深めようと大森らを食堂車に誘います。

ドイツ人と共に食事を取ることになった四三。

メニューを見てあまりの高さに驚きます。

大森は、初日なので、特別に今回は自分の奢りと宣言します。

食堂車で外国人の人相を見て四三は外国人たちに対して思いを巡らせていました。

ドイツ人は堂々として動じず

ロシア人は粗大で実に大陸的

アメリカ人は実に快活そうな気持ちの浅そうな趣き

フランス人老獪にてよく分からず

日本人は論外なり

ビールを何杯も頼んだドイツ人は、請求書を見て驚き、さりげなく大森の横に請求書をおいて、食堂車から出てしまいました。

ドイツ人にたかられて、大金を支払うことになった大森は、倹約の為に翌日からは自炊しようと宣言、今回の料金は2人にもちゃっかり2円請求しました。

夜になると、ドイツ人のいびきと大森の咳がうるさくて、眠ることができません。

熊本 池部家

その頃、熊本の池部家に嫁いだスヤは、朝を迎えていました。

夫と寄り添い寝ていたのですが、夫のひどい咳で目が覚めました。

夫を起こさないように起きたスヤは、部屋を出て朝日を浴びようとすると、そこに義母・幾江の姿を発見し仰天しました。

幾江は、水盆を持ってそこに座っています。

幾江に呼ばれたスヤは、幾江から池部家には守ってもらわなければいけないしきたりがあると教えられます。

その一つが、義母が起きる前に盥に水を汲み、義母が起きるのを部屋の前でたらいを持ったまま待つ、ということでした。

シベリア鉄道車中にて

シベリア鉄道で初めて朝を迎えた四三は、客車を出る時には常に正装でいなければならない、と大森から教わります。

朝起きてから寝るまでネクタイを締めて背広を着ていなければならず、堅苦しくてたまりません。

ようやく着替えて身支度を顔を洗いに行こうとすると、長蛇の列が出来ていました。

それは、三島が身支度のために一室を占拠しており、なかなか出てこなかったがためにできた列でした。

四三は、三島が女子のように鏡の前できっちり30分も身支度を整えていることに驚きました。

鉄道の中で自炊を始めた四三たち。

安仁子が味噌汁を作ってくれたのですが、安仁子の味噌汁はお湯に味噌を溶かしただけのもので出汁の入っていないまずいものでした。

四三は思わず抗議するのですが、夫である大森は、安仁子の料理は素晴らしい褒め讃えます。

鉄道はハルビンに到着しました。

ハルビンは、伊藤博史が暗殺されたところです。

先が長いこともあり、途中下車して、なまった体をほぐそうとする四三と三島は、街の物々しい雰囲気に飲まれていました。

ロシア兵たちが四三たちを取り囲み銃を構えます。

縮こまる2人に兵たちはパスポートの提示を求めました。

四三が足袋の隙間からそれを取り出して見せ、兵たちは失笑しています。

不穏な空気が漂う町から逃れ、鉄道に戻ってくると、三島は美しい女性たちを口説くのに忙しい様子。

四三は呆れてしまいました。

熊本 四三からの便り

熊本のスヤは、幾江に言われたとおり池部家のしきたりに従って、幾江の部屋の前で盥を持って待機していました。

近くにあった新聞には、四三の記事が載っており、それを見たスヤは顔を綻ばせました。

幾江が起きてきて顔を洗おうとしたその瞬間、四三の兄・実次の馬鹿でかい声が屋敷に響き渡りました。

四三から手紙が届いたというのです。

そこには、シベリア鉄道の中で過ごしながら、バイカル湖の雄大な景色を見て楽しんでいると書かれていました。

スヤが四三はまだ冷水浴を続けているのかと質問すると、実次は笑いながら、まだ続けている、と答えました。

シベリア鉄道車中にて~諍い

シベリア鉄道5日目。

各自、体を解す為に列車の中で体を動かし始めました。

日本の新橋からずっと一緒の三島とは、もう会話も無くなってきていました。

四六時中顔を突き合わせているとお互いに不満も出てきて、ギスギスしてしまいます。

つまらない事で喧嘩をするようになっていました。

現代、志ん生が2人の喧嘩をおもしろおかしく話しています。

その頃の嘉納は、まだ日本を出られずイライラしていました。

申請してから一週間も経つのに、文部省からの知らせは全くなく、受付は相変わらずのらりくらりと嘉納の追求を逃れます。

嘉納の怒りはピークに達していました。

浅草 初めての給金

一方、浅草の美濃部孝蔵(森山未來さん)は、師匠の足として半年を過ごしていました。

今日も師匠を送り届けると、師匠から「メシは好きかい」と尋ねられました。

「はい」と答える孝蔵に円蕎(松尾スズキさん)はそんな気構えではいけないといいます。

そして孝蔵に小さな袋を手渡しました。

その中に入っていたのは5厘。1銭の半分です。人力車の手間賃としては安すぎる金額です。

しかし、それが孝蔵の初給金でした。

弟子の五りん(神木隆之介さん)にその話をすると、師匠がけちったからなどぼろくそです。

師匠が孝蔵に渡したものは、5厘だけではありませんでした。

「三遊亭朝太」という名前も一緒にもらっていました。

噺家は水物でこれからどうなるかわからない、食うことは後回しでやっていかなければならない、そういう気構えを師匠は教えたかったのだと志ん生は五りんに話しました。

志ん生は、師匠から始めてもらった給金と名前が書かれた紙を額に入れで大事にとっていました。

弟子の五りんは、ふざけていた表情から何か考えるような表情に変わっていました。

シベリア鉄道車中にて~ようやく半分

5月26日、日本を出て10日目、旅も半分過ぎました。

四三は、旅の中でたくさんの人を見て、西洋人は嫌い、西洋に被れた人物も嫌いと高師に当てた手紙の中で書いています。

「人には合う人と否とあり

いかに西洋人の真似したとて日本人は日本人なり

なんぞ真の西洋人ならんや、むしろ日本人の元気あるを示し、特徴を示せよ

世は西洋人は嫌いなり、半かじりは尚嫌いなり」

ひと目もはばからずイチャイチャする大森夫妻を冷めた目で見ていた四三は、なぜ大森が選手団の監督を引き受けたのか疑問に思いました。

その疑問をぶつけてみると、大森は、自分は体が弱かった、と話し始めました。

アメリカには経済を学ぶために行ったのですが、西洋人の肉体の強靭さに驚いたと語ります。体格差はいかんともしがたく、自分のような脆弱な日本人を出さないように、まず、日本人の体格を西洋並に良くしなければいけないと思うようになったといいます。

バスケットボールやバレーボールは、大森が日本に持ち帰って普及したスポーツでした。

ついでに、安仁子との馴れ初めまで聞いてしまいました。

日が経つにつれ、大森の咳がひどくなっていきます。

三島は、大森はどこか病んでいるのではないかと思い始めます。

東京 高師にて

その頃、高師の可児と永井は、四三からの手紙を読み、四三が西洋かぶれを嫌っていることが分かり、大笑いしていました。

自分たちを差し置いて大森が同行したこと未だ根に持ち、四三の手紙を爽快に思ったのです。

2人が大森を羨み、ストックホルムへの同行を希望していたと知った嘉納は、大森の真実を話し始めました。

大森は肺を病んでおり、次のオリンピックは見られないだろうということを、安仁子に聞かされた嘉納。

オリンピックに参加するために、大森が作成した論文「オリンピック式 陸上運動競技法」を嘉納に見せながら、妻・安仁子は嘉納に大森をストックホルムに連れて行って欲しいと懇願しました。

大森の論文は、短距離・長距離の練習方法、フォーム、足の運び方、写真を使っての解説もあり、大森の本気が伺える大作でした。

大森の真実を知った可児と永井は猛烈に反省し嘉納に頭を下げました。

シベリア鉄道車中にて~もうすぐ到着

5月22日、病状が悪化し、とうとう大森は起き上がれなくなりました。

安仁子は2人に自炊の中止を言い渡し、部屋にひきこもります。

四三は、これまで感じていた不満を三島にぶつけました。

「大森監督はこんな状態、嘉納先生もいない、これで日本スポーツ界の黎明の鐘になれるのですか!」

三島は四三を食堂車に誘い、予算を気にせず最後の晩餐をしようとご馳走を頼みます。

「考えても始まらん、走るのは僕たちだよ。臆するないだてん、練習の成果、見せてやろうじゃないか」

と、四三を鼓舞します。

四三は完璧なマナーを見せ、食事やワインを楽しみました。

久しぶりの豪華な食事に四三の胃袋は喜び、気持ちも和らいだようでした。

三島に天狗倶楽部がやっていた応援をして欲しいと頼み、三島とも打ち解けることができました。

2人は固い握手で互いの健闘を誓い合いました。

いざ、決戦の地へ

翌日6月2日、ロシアの首都に着きシベリア鉄道を降りて、船に乗り換え、とうとうストックホルムに到着しました。

そこでは日本大使館の内田公使(内田肇さん)が待っていて、日本選手団を迎えてくれました。

街の人々、子供から大人まで皆がオリンピックを知っていることにも四三は驚きを隠せません。

そして、夜だというのに明るい白夜に驚きました。

次の日、オリンピックスタジアムに案内された四三たちは、その広さに驚きます。

ここで走るのかと気持ちを高ぶらせました。

足袋で走り出す四三。

オリンピックスタジアムにそびえ立つあのポールに、日の丸の旗を掲げようと決意を新たにしました。

高師でも四三がストックホルムに到着したことは伝えられ、遠いストックホルムに向けて野口らは四三たちにエールを送っていました。

一方で嘉納は、未だに日本から出られず、怒り狂っていました。

嘉納はいつ、日本を脱出できるんでしょうね。

次回第10回「真夏の世の夢」

ストックホルムに到着した四三たちは、早速練習を開始しますが、西洋人と日本人の体格差、実力の差を見せつけられ、三島はこれまでの自信を失ってしまいます。

大森の病状も悪化するばかり、慣れない環境で1人ずつ練習する2人は孤独な戦いを強いられていました。

異国の地での孤独な戦い、一体、日本選手団はどうなるのでしょうか。

いつも自信満々な三島が、「もう限界だよ…」と囁く弱々しい呟きが気になります。

次回第10回「真夏の世の夢」、楽しみです。

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