2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は、毎週日曜日20時からNHK総合他にて放送中です。

前回、第44回「僕たちの失敗」は、東京オリンピック開催に己の人生の全てをかけて尽くしてきた主人公・田畑政治(阿部サダヲさん)が、組織委員会の事務総長を解任されてしまったお話でした。

1962年、第4回アジア競技大会で、重大な問題が発生しました。

開催国であるインドネシアが、政治的に対立する台湾とイスラエルの参加を拒否、招待状もビザも送っていないという問題が発覚しました。

国際陸連は、アジア大会を公式の大会とは認めないという通達を出しました。

この大会に250人以上の大選手団で参加予定だった日本は、この大会に参加すべきか否かの議論が喧喧囂囂となされていました。

組織委員会会長の津島寿一(井上順さん)は、政府の意向を確認し、直ぐにでも帰国する、と不参加を主張し、選手たちは大会に参加するためにインドネシアまでやってきたのだと参加を主張します。

政治は、選手の気持ちも、大会を準備してきたインドネシアの人々の気持ちもよく理解でき、しかし、2年後に迫る東京オリンピック開催に影響が出るのではないかと決断できずにいたのです。

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そこに現れたオリンピック担当大臣の川島正次郎(浅野忠信さん)は、早く決定を出さない政治たちの態度を非難し、早く決めろと促します。

日本が不参加ならインドネシアのスカルノ大統領と癒着関係にある川島は、さぞかし困るだろうと皮肉った政治ですが、川島はどちらでも構わないと言ったのです。

政治は、政治家の気持ちはわからないけれど、選手たちの気持ちや大会を成功させるために頑張ってきた人たちの気持ちはわかるとして参加を決定、日本は開会式数分前に参加を表明しました。

しかしこの判断は、日本のマスコミから大反発を受けてしまいました。

日本での大バッシングを聞いた政治は弱気になり、たまたま電話が繋がったマリー(薬師丸ひろこさん)に弱音を吐露します。

そんな政治は、アジア大会を公式な大会とはせず、親善大会だったとできれば問題はない、と河野一郎(桐谷健太さん)に助言を受け、インドネシア大会本部に掛け合うのですが、インドネシアは絶対に譲らず、さらにインドネシア国民の反感を買い、同じように主張したインド大使館は暴動により焼かれ、インド代表は緊急に国外に避難、政治にも護衛が付く始末。

第4回アジア大会、日本選手団は155個のメダルを獲得する大活躍をしたのですが、日本のマスコミは大会の結果を報道するのではなく、参加を決定した政治に対する批判の記事ばかり掲載していました。

日本に帰国した政治は、待ち構えていた報道陣に取り囲まれてしまいます。

直談判は得意でも、大勢の人の前での演説を苦手とする政治は、その態度が横柄、傲慢、開き直り、と非難の的になってしまいました。

川島の根回しにより、政治家の間では政治の悪評が広められており、さらにテレビ取材での態度も相まって政治への風当たりは相当強いものになっていました。

根回しが済んでから記者に発表すべき内容でも、急に取材を受けた政治はポロっと言ってしまい、慌てて訂正。

そんな政治のスタンドプレーと失言に政府もマスコミも過剰に反応し、世間の風当たりに耐え切れなくなった津島は、会長職を辞任すると川島や都知事の東龍太郎(松重豊さん)に申し出たのです。

初めから津島降ろしを画策していた川島でしたが、津島の申し出を形ばかりに引きとめようとします。

引き止められた津島は、辞任すると固い決意を示し、辞任はするけれど辞めるなら政治も一緒に辞めさせて欲しいと条件をつけたのです。

そんなことは知らない政治は、アジア大会参加の件で、処罰を受けるのは開催国であるインドネシアだけで、参加した国は処罰されないという国際陸連の決定に浮かれていました。

三波春夫が歌う、『東京五輪音頭』の一節にある「オリンピックの顔と顔」という歌詞をいたく気に入り口ずさみながら向かった組織委員会懇談会にて、政治は津島と政治の責任問題を追求されることになり、会場から締め出されてしまいました。

その場で津島と政治の解任が決まり、政治は津島とともに辞任会見を行うことになりました。

政治はこれまで心血注いでレールを敷いてきたオリンピックへの道を閉ざされたことを嘆き、自分が敷いたレールを最後まで走れないことを悔しがりました。

オリンピックに関われなくなった政治は連日バー・ローズで呑んだくれていました。

マリーに促され帰宅した政治を迎えた妻・菊枝(麻生久美子さん)と軽口を交わし、政治のために酒のつまみを買いに出た菊枝の姿が見えなくなると、これまでオリンピック漬けで家庭を顧みなかった己の所業を反省し、これからは妻孝行をするのだと決意を固めます。

そんな政治宅に組織委員会の松澤一鶴(皆川猿時さん)や岩田幸彰(松坂桃李さん)らが

訪ねてきました。

政治が『俺のオリンピック』と呼ぶ模型を持ってきた4人は、まだ終わりではない、未完成だと政治を励ましたのでした。

前回第44回「僕たちの失敗」を見逃した方はぜひこちらをどうぞ。

いだてん~東京オリムピック噺~第44回「僕たちの失敗」のネタバレとあらすじと感想

ぞれでは、第45回「火の鳥」のあらすじと感想です。

裏組織委員会発足

東京オリンピックを2年後に控え、オリンピック組織委員会事務総長を辞任した政治。

打ちひしがれる政治宅に組織委員会の松澤や岩田、大島、森西が訪れました。

4人は政治に、「まだ終わりじゃない」と声をかけ、励ましたのでした。

政治の自宅に国立代々木競技場の模型が設置されたのですが、政治は模型に背を向けて、持って帰ってくれ、と呟きました。

もう自分はオリンピックに関わるつもりはない、こんなに敵が多いなんて知らなかった、と呟く政治に、森西は「いっぱいでしたよ、敵、前から。田畑さん嫌われてましたよ」と容赦がありません。

政治は、「俺が俺がで諸君らには迷惑かけたね、あとは頼んだよ」と手を振りました。

やる気のなくなった政治に岩田は、自分も辞めるつもりだと打ち明けました。

政治と心中する覚悟でやってきたのに、政府主導のオリンピックなどできない、と岩田の決意は固いようです。

すると政治が岩田に顔を向け、懸命に岩田を引き止めようと声を上げました。

レールは敷かれた、あとは誰がやってもいい、と言う岩田に政治は、誰がやってもいい、だからこそ自分がお膳立てしたそのレールを岩田に走って欲しい、と岩田を説得しました。

「俺が敷いたレールを、俺が蒔いた種を刈り取って欲しい」と政治は岩田に頭を下げたのです。

すると岩田はならばこれも自分が持っていていいかと、嘉納の遺品であるストップウォッチを政治に見せました。

政治は、ずっと探していたんだ、と取り返そうとし、その拍子に代々木競技場の模型を破壊してしまいました。

そこで我に帰った政治はストップウォッチを岩田に託しました。

4人が帰ろうとすると、見送りに出た政治の娘・あつこ(吉川愛さん)はまた来て欲しいと4人に頼みます。

菊枝も、オリンピックが人生の全てだったのにそれを取り上げられ、打ちひしがれた政治の姿をこれ以上見ていられない、家を解放するから、時々でいいから家に来て欲しいと4人にお願いしたのです。

すると松澤は、菊枝に同意し、裏組織委員会として時々集まることになったのでした。

岩田は政治の次女・あつこをコンパニオンにスカウト、日本をアピールし、オリンピック関係者をもてなす重要な役どころをあつこに頼んだのでした。

政治が正式に組織委員会を去る日がやってきました。

政治の情熱に動かされ、オリンピックの記録映画を撮影するはずだった黒澤明(増子直純さん)は、政治が事務総長を辞任したならば自分も辞めると監督を辞めてしまいました。

政治の後任として事務総長になったのは、与謝野晶子の次男で外交官の与謝野秀でした。

退任する政治と新たに就任した与謝野の記者会見が行われたのですが、マスコミの興味はもはや政治ではなく次の組織員会会長で、皆、与謝野の意見が聞きたくて政治のことなど見向きもしなくなっていました。

嘉納治五郎(役所広司さん)の肖像画を見上げ、組織委員会の面々が待つ場所へ向かおうとする政治の前に、記者に囲まれご機嫌に話をする川島が姿を現しました。

次の組織員会会長は誰かと質問され、自分がなってもいいけれど、政治とスポーツは別だから政治家の自分がなったらダメ、と語る川島は、嘉納の肖像画の前に立ち止まる政治を発見しました。

政治に声をかけず、ただ勝ち誇ったように冷ややかに政治を見つめる川島。

オリンピックをひとつの足がかりに、経済大国へと駆け上がる日本。

川島はその道筋を整え、政治の世界に戻って行きました。

大松監督辞意表明

その頃、世界最強と言われ世界の女子バレーボール界の頂点に立っていたロシアチームを下した日本チームは、「東洋の魔女」と呼ばれ一躍スターとなっていました。

2年後のオリンピック金メダルへの期待が高まる中、鬼の大松という異名を持つ大松監督(徳井義実さん)が監督を辞任するという情報が入ってきました。

大松辞任の報を受けた政治は、急いで日紡貝塚のある大阪に飛びました。

しかし、激しい練習が行われているはずの体育館には人の気配が全くなかったのです。

古今亭志ん生(ビートたけしさん)と五りん(神木隆之介)さんの二人会が始まりましたが、五りんは前回姿を消したあとから行方が分かっていません。

志ん生は五りんの分まで話さなければなりせんでした。

大松や選手の姿を探していると、着飾った選手たちに甲斐甲斐しく弁当を食べさせてもらっている大松の姿がありました。

その姿に驚いた政治は大松を連れ出し、この体たらくはどうしたのだと問いただします。

すると大松は、ロシアに勝利し世界一となってしまいモチベーションが下がってしまったと言いました。

これまでのように、厳しい特訓を続けていたのでは、選手たちの青春は台無しです。

同僚が次々と嫁に行く中、選手たちは遊ぶこともせず、厳しい練習に耐えています。

婚期を逃し、青春を潰してまでやることなのか、あと2年この生活を選手に強いるのか、選手たちが不憫だと大松は言うのです。

政治が事務総長を辞任したことに言及し、政治にとってのオリンピックとは何かと質問する大松に、政治は「人生、生きる目的、全てだよ」と答えました。

大松は「それはそれはご愁傷様でした」とあっさりと言うとそのまま政治の前から立ち去ったのです。

東の苦境

1963年(昭和38年)3月、国立代々木競技場の建設が始まりました。

それにより東京の大渋滞はさらに酷いものとなり、都知事の東龍太郎(松重豊さん)は、都民から集中砲火を浴びることになってしまいました。

そんな中、五りんが東京五輪音頭を歌う三波春夫(浜野謙太さん)の前に弟子にして欲しいと現れたのです。

かつて満州で軍人として生活していた三波春夫。

五りんの父である小松勝が以前満州で三波の浪曲を聞いたことがあると五りんが告白すると、弟子は採っていない、と言いつつ五りんを楽屋に招き入れました。

田畑家、裏組織委員会では聖火リレーのコースについての話し合いや、競泳選手の育成についての話し合いが行われていました。

そこにデザイナーの亀倉雄策(前野健太さん)も訪れ、出来上がったばかりのオリンピック第3弾のポスターを政治に見せたのです。

初めに表の組織委員会に見せなければいけないのに、裏に持ってきてはダメだよ、と岩田は亀倉に言います。

亀倉が持ってきたポスターは、競泳選手が水から顔を出した瞬間を捉えた、水しぶきまで感じられる素晴らしい出来でした。

政治は喜び、顔を綻ばせます。

岩田たちは嬉しそうな政治の姿を見て自身も嬉しそうに顔を緩めました。

政治が組織委員会にいた頃、オリンピックへの盛り上がりが今ひとつで心配していたのですが、ここに来てテレビもラジオも新聞もオリンピックを連日取り上げており、日本中がオリンピックで盛り上がっています。

政治の喜ぶ顔が見たかった、だからこそ亀倉は一番に政治のもとへとポスターを持ってきたのでした。

都知事の東は、突貫工事のせいで都内中が大渋滞になり大バッシングを受けていました。

ある日、バー・ローズで飲んでいた東は、都民が自分を批判しているのを聞いてしまい、ショックを受けました。

マリーは客の暴言から東を庇うように東を気遣います。

政治は元気なのだろうか、というマリーの問いかけに答えられない東にマリーは、政治が大人しくしているということは上手くいっている証拠だと東を励ましたのです。

かつて東大ボート部員としてオリンピックを目指していた東は、昔練習していた川の水が美しく澄んでいたことを懐かしがります。

しかし今は高速道路建設などの工事により、都内の川は塞がれこれまでの景観とはガラっと変わってしまったのです。

来年訪れる外国の視察が来る前に、せめて水だけでもなんとかしたいと考える東でした。

オリンピックの準備が急がれる中、コンパニオンの面接が行われました。

たくさんの女性たちの中に混じって、1人の老人が面接にやってきました。

政治宅で行われている裏組織委員会で岩田はその時のことを報告します。

老人は、コンパニオンではなく聖火リレーの最終ランナーになりたいと志願してきたというのです。

岩田が語る人物に、政治は思い当たる人がいます。

訛りが強く何を言っているのかよくわからない、足袋を履いていて、政治が辞めたことを伝えると「そぎゃんですか」と言ったというその人物は、いだてん・金栗四三(中村勘九郎さん)でした。

四三は岩田にかつて大塚の下宿に貼っていた日本地図を託し、政治に渡して欲しいと頼みました。

そこには、四三が生涯をかけて走った足跡が残されてあったのです。

それを受け取った政治は、四三が生涯をかけてこれまで走ってきた足跡を見て、聖火リレーのコースについて、素晴らしい案が浮かんだのです。

マラソンの普及のために、テレビがまだ浸透していなかった時代、四三は自分で実際に走っている姿を人々に見せる必要がありました。

そうして全国を走り尽くした四三。

政治は、四三の足跡を参考に、全国46都道府県に聖火を隈なく走らせることを思いつきました。

最短距離ではなく、最長距離をなるべくたくさんの人々の手によって代々木競技場まで繋ぎます。

しかしそれをやるには膨大な時間が必要となってしまいます。

あつこの提案で、聖火を4つに分けることになりました。

聖地アテネから持ち帰った聖火は、沖縄で4つに分けられ4つのコースを走って皇居前で1つに合わせます。

開会式当日そこからゴールの代々木競技場まで運ばれるのです。

総走行距離6755Km、総勢10万人もの人々の手に渡って聖火は競技場を目指します。

政治が考え出したコースを、岩田は組織委員会で発表しました。

絶賛された岩田は、自分ひとりで考えたのではない、と言い淀みます。

政治の存在を明かせないため、四三の偉業を参考にしたと言い、委員会の承認を得ました。

最終ランナー候補としていだてん・金栗四三、日本初の陸上三段跳び金メダリスト・織田幹雄の名が挙げられるのですが、政治はそんな老人ではなく、これからの陸上界を担う若い選手がいいと19歳以下の陸上選手のリストを持ってくるように岩田に指示を出します。

そこに、完成した東京オリンピック招待状を携えてデザイナーの亀倉がやってきました。

朱色が色鮮やかなオリンピック招待状の出来栄えに政治を始め裏組織委委員会の面々も感動しました。

気分が良くなった政治は、菊枝に「菊枝ちゃん、アレがないよ、ナニもね」と声をかけました。

「はーい」と返事をする菊枝に、松澤はアレやナニでよくわかるな、と感心します。

政治は誇らしげに30年も連れ添ったのだから当たり前、と豪語するのです。

しかし実際は、アレ、やナニ、は何でもよく、日本酒でもウイスキーでも「違う、そう」と言いながら何でも飲んじゃうの、と菊枝は娘に暴露するのでした。

その頃、政治の家の様子を東が外から窺っていました。

楽しそうな雰囲気を見て、何とも言えない表情を浮かべていました。

外に佇む東に気づいたあつこが東も一緒にと誘うのですが、東は動揺し逃げてしまいます。

平和の祭典のために

大体の人々が帰り、岩田と2人で飲んでいた政治は、岩田に感謝の気持ちを伝えました。

肩書きはなくなっても、岩田たちが訪ねてきてくれるからオリンピックの関われる、と嬉しそうに感謝を伝えたのです。

アジア初の大会として、世界各国できるだけ多くの国々に参加して欲しいと、渉外部長である岩田に指示を出しました。

日本のオリンピックはたった2人の選手から始まりました。

岩田はその頃のことに思いを馳せました。

心細かったでしょうね、という岩田に、政治は、でも楽しかったんじゃないか?世界中に仲間が居るとわかって、と答えました。

政治の意向を受けた岩田は、世界各国105か国、最近独立を果たしたアフリカ諸国にまで東京オリンピックの招待状を出しました。

オリンピックに馴染みの浅いアフリカ諸国には自身が赴きその主旨を説明し参加を促します。

アジア初の平和の祭典開催、ぜひ参加して欲しいと精力的に動きます。

政治が託した嘉納のストップウォッチを身に付け、岩田はオリンピックのために身を粉にして力を尽くしていました。

東洋の魔女 復活

岩田がアフリカ諸国を巡っていた頃、政治は大阪にいました。

東洋の魔女を率いた大松監督のもとを訪れていました。

「もし娘が婚期を逃すほどバレーにのめり込んだら、父親としてどう感じるのか知りたくて、俺が見ている前で連続スパイクを受けてくれと娘に頼んだら断られた。しょうがないから俺が受けることにした」という父の頼みを断ったあつこでしたが、父がそのスパイクを受けるのは心配と、母・菊枝と共に付いてきたのです。

大松は家族と団欒中だったのですが政治に呼び出され不満をぶちまけます。

政治に向けてボールを投げながら、引退を表明してから5千通もの手紙が届いたと話し始めました。

そのうちの5割は辞めて良かった、これ以上続けていたら人でなしだというもの、残りの4割は日本中の期待を背負っているのに途中で投げ出すのは非国民だというもの。

政治にどっちなのかと激高しながらスパイクをぶつけ続ける大松に、たまらず妻が止めに入りました。

政治が菊枝にも「なにか言え」と促すと菊枝からは「ファイト!」の応援の声。

やるのは自分ではない、選手。「魔女」と呼ばれているが、魔女は1人では魔力を発揮できない、6人揃わなければ力を発揮できない。マスコミが「魔女」と呼ぶたびに婚期が遅れる、と大松は怒ります。

これまで選手たちは貴重な青春を犠牲にして練習に明け暮れていました。

仕事仲間が結婚していく中、彼女たちは恋愛することもできず婚期を逃してしまいました。

これを後2年も続けるのか、自分がやると言ったら選手たちは絶対についてきてしまう、しかし、そうしたら彼女たちの人生はどうなってしまうのか、だからこそ自分は言えない、家族にも選手たちにも、人としての生活を犠牲にしてまでバレーボールをやろうとは言えない、と大松は本音をこぼしました。

「こんなことを2年も続けていたら家庭は崩壊や!」と叫ぶ大松に菊枝は「そんなことない」と否定します。

「やるべきことを途中で投げ出した男が家に帰ってきてもダメ、体だけ帰ってきても心が帰ってこなくてはダメ、ちゃんとケリをつけなくては」と菊枝は言いました。

大松の妻に「そうですよね」というと妻も同意しました。

騒ぎを聞きつけて体育館にやってきた選手たちは、大松の言葉を聞き、振り絞るように語り始めました。

「青春を犠牲にして、そう言われるのが一番嫌いです。私たちは青春を犠牲になんかしていない、だってこれが私の青春だから、今が、バレーボールが青春だから」主将の河西昌枝(安藤サクラさん)の言葉に他の選手たちも頷き、それぞれの言葉で大松に語りかけるのです。

「2年ついてこい」と言って欲しいと選手たちが促しても、大松は迷い言葉を発することができません。

政治は大松にバレーボールをぶつけ、怒りを顕にしました。

「辞めるか続けるか、自分で決められるだけありがたいと思え、俺はもうやれん、だから、お前に託したんだ、選手だってやる気だよ、それを邪魔する権利はお前にはないよ」

政治の言葉に背中を押され、とうとう大松は「俺についてこい!」と叫びました。

「お前ら全員俺が必ず嫁に行かせたる、だから、ついてこい」この言葉に選手たちは力強く頷き返事を返したのです。

河西は大松の娘のもとに駆け寄り、「ごめんね、もう少しだけお父ちゃんを貸してね」とお願いします。

すると娘は「いいけど、オリンピックが終わったら返してね」と答えたのです。

東洋の魔女、再始動の瞬間でした。

復活から厳しい練習に励む選手たちを見ながら政治は、人見絹枝や前畑秀子の時代から変わったのだろうかと考えました。

彼女たち東洋の魔女たちには、少なくとも「国を背負って」という悲愴な思いは感じられません。

彼女たちは自分たちのためにやっている、だからかっこいいのだとあつこは言いました。

菊枝は、「変わったんじゃなく変えたんです」と政治のこれまでの尽力により変わったのだと伝えました。

オリンピックまで残すところあと1年。

組織委員会は裏も表も大忙しです。

そんな中、インドネシアがIOCを脱退するという問題が発生しました。

アジア競技大会の遺恨が残っているためと考えた東は、どうしてもアジア初のオリンピックのためにインドネシアに参加してもらいたいと、渉外部長の岩田に言い募ります。

その他にもオープニングセレモニーのサプライズとして、航空自衛隊のブルーインパルスに大空を舞って欲しいと依頼を出しました。

直線に飛ぶのは面白くないと主張する航空自衛隊のパイロット・松下治秀(駿河太郎さん)は、青空に5つの輪っか、ドーンと咲かせましょう、とブルーインパルスで五輪を表現する、と提案しました。

年が明けたらオリンピックイヤーになる年越しの日、古今亭志ん生は家族とともに紅白歌合戦を見ていました。

いつもは蛍の光が流れるはずなのに、今年は三波春夫が歌う「東京五輪音頭」でフィナーレです。

テレビで華やかなステージが繰り広げられる中、その中に五りんの姿を見つけた美津子(小泉今日子さん)は驚きの声を上げました。

志ん生も五りんの姿を確認し、こわばった表情を浮かべていました。

次回、第46回「炎のランナー」

いよいよオリンピックイヤーとなり、準備も大詰めです。

聖火リレーの最終ランナーをめぐり、組織委員会とアメリカの反日感情を危惧した政府との間で対立が起こりました。

解任されてから初めて組織員会に足を向けた政治は理想のオリンピック実現のために突っ走ります。

そんな政治に平沢(星野源さん)が助言をするのです。

裏からずっとオリンピックに関わり続けようやく理想のオリンピック実現に近づいたのにまた政府からの横槍で理想から外れていってしまうオリンピック。

とうとう政治は立ち上がり、仲間の力を借りて政府に立ち向かいます。

政治の最後の頑張りに期待がかかりますね。

次回、第46回「炎のランナー」。いよいよ大詰めとなった「いだてん~東京オリムピック噺~」、最後まで気が抜けませんね。

いだてん~東京オリムピック噺~第46回「炎のランナー」のネタバレとあらすじと感想