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麒麟がくる 第35回「義昭、迷いの中で」のネタバレとあらすじと感想

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2020年大河ドラマ「麒麟がくる」は、NHK総合にて日曜夜8時、BSプレミアムにて午後6時、BS4Kにて朝9時に放送中です。

目次

前回のあらすじ

元亀2年(1571年)9月、織田信長(染谷将太さん)は比叡山焼き討ちを決行しました。

事前にしていた退去命令に従わず、叡山に居続けた住民は、女子供の区別なく惨殺。

叡山は凄惨な有様となっていました。

明智十兵衛光秀(長谷川博己さん)は、信長からの皆殺しの命令に従わず、女子供は逃がせと部下に命じていました。

信長勢が叡山陥落の勝利に沸く中、光秀は僧たちの切り落とされた夥しい数の首に向かい頭を下げていました。

信長は、光秀が信長の命に従わなかったことを許したものの、次は皆殺しにせよと命令。

そして叡山焼き討ちの一番手柄として志賀郡2万石を光秀に与えました。

将軍・足利義昭(滝藤賢一さん)は、叡山焼き討ちにより沢山の僧が犠牲になったことに嘆き、この戦を止められなかった摂津晴門(片岡鶴太郎さん)を責め立てます。

従わぬ者を冷酷に皆殺しにする信長を危険視した義昭と、信長の失脚を狙う摂津は意見が一致し、大和の国で信長配下の松永久秀(吉田鋼太郎さん)と戦っている義昭の婿にあたる筒井順慶(駿河太郎さん)の戦に援軍を出すことを決めました。

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松永と筒井の代理戦争によって、信長を幕府の敵と諸大名に認識させようとしたのです。

叡山焼き討ちの功労者として名が上がった光秀ですが、京では冷酷非情な鬼として嫌われ、家族にも非難の目が向けられるようになっていました。

市に出かけた次女・たまが光秀の娘として糾弾され怪我を負い、光秀は悪いのは戦をした自分だとたまに謝ります。

怪我をしたたまの看護した駒(門脇麦さん)は、光秀に義昭が信長から離れようとして、筒井順慶に援軍を出すつもりだと伝えました。

義昭と信長の対立を恐れた光秀は、密かにこの計画を阻止しようと動き始めました。

駒の情報を頼りに筒井順慶を訪ねた光秀は、順慶が信長と対立するつもりはないことを確認しますが、順慶は、故郷である大和を蹂躙する松永の存在も放っておくことはできないと語ります。

光秀は、筒井順慶を堺の今井宗久宅に誘い、松永久秀と引き合わせることにしました。

久秀は、筒井と会ってどうすればいいのかと光秀に困ったように問いかけます。

光秀は自分が拝領した2万石を久秀に譲るので、大和は諦めて欲しいと懇願します。

久秀は光秀の心意気を買って、筒井との戦を一時中断すると決定したのでした。

光秀から和議の報告を受けた信長は、このままでは義昭の要請通りに筒井の援軍に向かわなければならなかったと、和議を喜びました。

それは義昭を尊重したのではなく、公方と信長が対立することで帝に心労をかけてしまうことを恐れてのことでした。

信長と義昭の間に齟齬が生まれ始めていました。

帝(坂東玉三郎さん)は、望月東庵(堺正章さん)と碁を打ちながら、関白から信長にあまり近づかない方が良いと苦言を呈されたと話します。

しかし帝は、信長のした戦は無残なものであったが信長でなければ覚恕を叡山から追い出せなかったと信長を高く評価していました。

遠く離れた甲斐国にて、叡山から逃げ延びた覚恕(春風亭小朝さん)は怒りに震えていました。

甲斐の大名・武田信玄(石橋凌さん)は、覚恕の怒りに対し、自分が信長を討ち果たしてみせると約束したのです。

前回、第34回「焼き討ちの代償」を見逃した方は、ぜひこちらをどうぞ。

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それでは、第35回「義昭、迷いの中で」のあらすじと感想です。

妬みと歪み

元亀2年(1571年)秋、比叡山焼き討ちの一番手柄として近江志賀2万石を拝領した光秀は、琵琶湖の畔、坂本に新たな城を建てることになりました。

図面を見て、城から近江の海が見えるかと2人の娘は楽しそうに光秀に問いかけます。

妻・煕子(木村文乃さん)も図面を見て嬉しそうにしているのですが、光秀は坂本築城は気が進まない、住むならここがいい、と浮かない顔をしていました。

そんな光秀に煕子は、子供たちも家中の者も皆、坂本に移る日を楽しみにしていると訴えかけるのでした。

そこに木下藤吉郎(佐々木蔵之介さん)がやってきたと知らせが来ました。

藤吉郎は、光秀に信長からの書状を手渡します。

帝を支える公家衆の窮状が書かれており、藤吉郎と光秀とで知恵を絞って何とか助けるように命じられたというのです。

書状には、洛中洛外の田畑1反につき、一定の米を税として取り、それを寺などに貸付、その利息を公家衆に与えよ、さらに、帝の妹の領地を幕府が勝手に奪い取り、それを奉公衆から取り返し、幕府のものを処罰せよ、と言った内容が書かれていました。

光秀は、信長の気持ちを理解しつつも、これでは幕府にケンカを売っているようなもの、と反論します。

しかし藤吉郎は、それは光秀がこれまでやってきたことだろうと言い放ちます。

信長は幕府はどうでもいいと思っている、朝廷と共に敵を討ち果たし天下を治めたい、自分はそれでいいと思っている、と藤吉郎は言うのです。

光秀は藤吉郎の言葉に「それは違う」と反論します。

公方様を頭に頂く幕府は、諸国の武家を束ねてこそ世は収まる、と主張します。

今その幕府は病んでいる、だから我らがそれを正せば、と光秀は言い募りますが、100年も内輪もめと戦に明け暮れてきました。

自分は生まれてから百姓で、公方様の有り難みを知らずに育ったと藤吉郎は言います。

それゆえ、かえって物事がよく見える時があるというのです。

腐っている尚も腐っている幕府を正せますか?と藤吉郎は反論します。

幕府は、そろそろ見切り時ではないかと藤吉郎は光秀に囁くのでした。

摂津晴門の企て

その頃、二条城政所にて、摂津晴門が部下に命じて密かに明智十兵衛光秀の暗殺計画をたてていました。

幕臣でありながら政所の頭越しに信長と朝廷よりの政治を行っている光秀に不快感を持っていたのです。

まずは明智を倒し、織田を倒す、その為に武田や浅井、朝倉が一斉に兵を挙げる手筈は整えてあると、摂津は部下に言い、「前に進むしかない」と言い放ちました。

たまの怪我は駒の治療により痕が残ることもなく綺麗に治っていました。

付き添ってきた煕子は、駒に丁寧に頭を下げます。

京に移り住んでからお互いに忙しくてなかなか顔を合わせられなかった2人は、久しぶりに会えて嬉しいと旧交を温めます。

そこに予約をしていると喧しく騒ぎながら部屋に入ってきた中年の女性がいました。

女性は木下藤吉郎の母・なか(銀粉蝶さん)だと名乗り、自分の息子がどんどん出世していると自慢します。

しかし、あまり早く出世しては周囲に妬まれてしまうので、出世もほどほどが良いと話すのです。

織田の引き立てでいち早く城を持つことになった明智は、周囲に妬まれ、明智が坂本に移ったら幕府を裏切るのではないかと疑われているというのです。

信長の腹心となった光秀を妬んだ義昭は、信長の引き立てにより出世した光秀に意地悪をして、人質として京に妻子を残して行けと命じているというのです。

光秀が坂本築城に乗り気ではなかった理由を悟った煕子でした。

義昭の迷い

義昭は、駒に墨をすらせ写経をしていました。

しかし苛立った様子で上手く書けないことを墨のせいにして、駒に苛立ちをぶつけます。

駒は、これ以上力を込めたら手が痛くなってしまうと反論します。

義昭は駒が義昭に不満を持っていると察し、言ってみろと促しました。

駒は義昭の前に座ると、なかから聞いた話を始めました。

「明智十兵衛様が坂本に城を持ちあちらにお移りになると伺いました。奥方様やお子達は一緒にお移りになれないそうです。公方様がご妻子を人質として京に留め置くようにご命じになったからです。

さほどに十兵衛様を疑っておられるのですか?公方様に歯向かうかも知れぬと」

と義昭を問いただします。

すると義昭は顔を歪めて、信長を信用できないからだといいます。

幕臣でありながら光秀は信長と一体だと、摂津たちが放っておけないと騒いでいる、と言い返します。

駒が、義昭は光秀のことを大事に思っていたではないか、家族と引き離すようなことをしては、光秀は義昭から離れる、と訴えても義昭は「やむを得まい」と返すのです。

光秀は幕臣でありますが同時に信長の腹心でもあります。

摂津が幕府を仕切っている、所詮十兵衛は余所者、摂津が光秀を幕府から追い出そうとしてもやむを得ない、光秀を斬るといったとしても「ああそうか」、としか言えないと義昭は吐き捨てます。

駒は、「斬る」という言葉に反応しました。

例えばの話、としながらも、自分には誰も味方がいない、そんな話をする摂津を好きではないが、憎くても嫌いでも摂津を側に置くしかない、光秀は坂本に城を作り始めている、自分から離れるつもりだと義昭は叫ぶのです。

そして自分の首に紐を巻きつけ、自分は時折自分の首を絞めたくなる、と言うのです。

何が大事で何が大事でないのか迷う、と嘆きます。

摂津は義昭が優柔不断だと責めますが、責められても返せない己が口惜しい、儂の首を絞めろ、哀れな儂の、いっそ絞め殺してくれ、と涙を流しながら義昭は駒に訴えるのです。

駒はそんな義昭の姿に何も言えず、義昭はそのまま泣き崩れたのでした。

暗殺計画

駒は、伊呂波太夫(尾野真千子さん)のもとへと急ぎました。

集めた金を太夫に渡し、光秀が狙われている、太夫しか頼れるものがいない、と太夫に助けを求めました。

義昭が開く茶会に招待された光秀は、本国寺にやってきました。

そこには、伊呂波太夫が舞を披露するので馬を出した、と細川藤孝(眞島秀和さん)が到着していたのです。

光秀に近づくと、藤孝は小声で「茶会には参加しないほうがいい、ここから先は危ない」と忠告します。

摂津晴門が茶会で光秀を斬る計画があると藤孝は告げました。

摂津の家臣が門の前にいて、寺の中には誰も入れないようにしているというのです。

光秀は、供の左馬助も門前で止められたことに合点がいきました。

藤孝の情報に感謝しながら、光秀は義昭がいるという奥の部屋へと向かいました。

光秀が進む廊下には、一見何もないように見えるのですが、隣接する部屋の中には大勢の兵が槍や刀を持って光秀が通りかかるのを待っています。

敵の気配を感じながら襖から繰り出される槍を躱す光秀。

しかし、間断なく繰り出される槍に光秀の足がかすり、光秀はたたらを踏みます。

光秀がよろけた隙に敵は部屋を飛び出し、光秀に襲いかかります。

光秀は負傷しながらも応戦し、どうにか義昭の部屋へと飛び込みました。

光秀の訴え

突然侵入してきた光秀に驚く義昭。

敵は義昭の前で刀を振ることができず、光秀に槍を向けながら遠巻きにしています。

光秀は義昭の前に平伏しました。

義昭は兵を下がらせ、人払いをし、光秀と2人きりになりました。

負傷した足の痛みに耐えながら顔を上げた光秀は、3年前、この本国寺で三好の一党に襲われ、義昭と穴蔵に隠れたことを思い出したと話し始めました。

今日は自分が襲われこの穴蔵に逃げ込んだ、事情がよく似ている、と光秀は笑います。

3年前、光秀は父から聞いた室町の都のように、美しい花の咲き誇る都に戻したいと義昭に語り、義昭もまた思いは同じだったと言い募ります。

義昭は、僅か3年の間に万事古くなってきた、と嘆きました。

義昭と近江で初めて会ってから上洛まで3年かかりました。

さらにこの3年。

古きものを捨て去る良い機会ではないか、と光秀は訴えます。

義昭は、摂津や幕府の古きものを捨て去れという光秀に、捨ててどうなる、信長が勝手気ままに京を治めるのを黙って見ていろというのか、と激高します。

しかし、自分がそんなことはさせない、と光秀は反論します。

もし信長が道を外れた時には自分が坂本城を返上してこの二条城で義昭を守る、と宣言しました。

「我ら武士は将軍をお守りせねば」と光秀は自分に誓ったと言ったのです。

光秀の言葉に義昭は涙を流し、今日の茶会は取りやめる、と宣言しました。

そこに三淵藤英(谷原章介さん)が現れました。

義昭は三淵に今日の茶会の中止を伝え、摂津にも伝えるように命じます。

しかし三淵は、摂津に茶会の中止を伝えても、引き下がるとは思えないと進言します。

三淵は、門の外に弟・藤孝の家臣が控えていると伝えます。

義昭の下知があれば、藤孝の家臣を中に入れ摂津たちを止めると訴えました。

すると義昭は、采配を三淵に任せると言ったのです。

摂津が従わない場合を聞かれると、摂津が従わない場合は、捕らえた上、政所の役を免ずる!と叫んだのでした。

三淵が出て行くと、義昭は光秀に声をかけました。

「ただ、云うておくが、信長と儂は性が合わぬ。逢うた時からそう思うてきた」

と憎々しげに顔を歪め言い放ったのでした。

「三淵やそなただけじゃ…」と弱弱しく告げ、義昭は涙を流したのです。

そして、本国寺内に入った藤孝の家臣により摂津は捉えられたのです。

帝とは

数日後、光秀は伊呂波太夫を訪ね、本国寺に藤孝を向かわせてくれたことに感謝を伝えました。

太夫は、お礼なら駒に言ってくれと、駒が光秀を救うように依頼したのだと告げました。

光秀は、太夫が崇拝している帝について、どんなお方なのかと尋ねてみました。

信長は帝に褒められるのが何よりも嬉しいらしく、足繁く御所に通っていると言います。

武士にとって敬うべきは公方様、と光秀は思っていたのですが、信長は帝を崇拝しています。

わからなくはないのですが、やはりわからない、と光秀は言います。

太夫から見て帝はどんなお方なのかと光秀は聞いてみますが、太夫は一度声をかけられただけだからそれ以外は何も、と答えられません。

太夫は帝の覚えが目出度い人物が近くにいるのだが、会ってみるかと誘いました。

太夫が連れて行った先は、古今和歌集を極めた、高名な三条西家の当主・三条西実澄(石橋蓮司さん)のところでした。

何も話そうとしない実澄に、光秀は実澄が読んでいた万葉集について聞いてみました。

すると実澄は、万葉の歌人の中で誰が好きかと尋ねたのです。

光秀は柿本人麻呂と答え、国と帝、家と妻に対する歌が良い、と答えました。

後日、御所を訪れ帝に拝謁した実澄に帝は「実澄の館に明智が参ったのか?」と尋ねてきました。

帝は、光秀は信長が一目置く武将だといい、実澄が光秀を気に入った様子に気づくと、折を見て連れてくるようにと言うのでした。

数日後、伊呂波太夫が光秀の館を訪れました。

太夫は光秀に実澄からの伝言を預かってきたといいます。

そして光秀に、近々実澄の供で御所に行かないか、と言うのです。

内密にするようにと言い含めた上で、行くか行かないか返事を聞いて来いと伝えられたといいます。

そして数日後、実澄の供として御所に向かう日がやってきました。

実澄の用人として衣装を整えられた光秀は、いよいよ御所へと向かうのです。

次回、第36回「訣別(けつべつ)」

三条西実澄の供として参内した光秀は、初めて帝と言葉を交わすことができました。

一方で、義昭はとうとう信玄と共に信長を討ち果たそうと出陣するのです。

光秀は義昭に考えを変えてもらおうと懇願するのですが聞き入れてはもらえません。

義昭は、信長が大和に気を取られている間に朝倉に美濃を攻めさせるつもりだと声を荒げるのです。

最後に

今日は、滝藤賢一さん演じる足利義昭の迫力に圧倒されました。

穏やかな仮面を脱ぎ捨て、苛々とした表情、激昂した姿、ままならないことに悲嘆に暮れる姿など、いろいろな姿を見せてくれました。

「信長と性が合わん」と憎々しげに言う表情は、歪んで本当に憎しみがこもっているようで恐ろしく感じました。

見事な表現に画面に引き込まれました。

そして、戦国らしい立ち回りも今回は見られて大満足です。

襖から突き出される槍に身をひねり交わす光秀。

打ちかけられる刃を受けて、振り払う姿。

格好良かったですね!

また、ものすごい存在感を表した方が登場されましたね。

木下藤吉郎の母・なかを演じる銀粉蝶さん。

あのマシンガントークには驚きました。

全く口を挟む暇を与えない、流れるような口調は見事でした。

そういえば、息子役の佐々木蔵之介さんも早口で流れるようにマシンガントークを繰り広げていますね。

さすが親子、ですね。

さて、次回はとうとう「訣別」です。

初期の段階ではあれほどまでに頼りにしていた信長と義昭はとうとう決別してしまいます。

信長と義昭だけでしょうか。

義昭と光秀はどうなんでしょうか。

次回、第36回「決別」も見所が満載ですね!来週が待ち遠しいです。

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