毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「西郷どん」。

2018年5月6日、第17回「西郷入水」が放送されました。

前回、大老井伊直弼(佐野史郎さん)による安政の大獄が始まり、追われる身となった月照(尾上菊之助さん)と西郷吉之助(鈴木亮平さん)。有村俊斎(高橋光臣さん)と三人で薩摩へ逃げる事になりました。

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京から大坂へ逃げる手助けをしてくれた橋本左内(風間俊介さん)は、彦根の長野主膳(神保悟志さん)に捕まってしまいました。

今回は月照と吉之助の処遇と、斉彬死後の島津家が描かれます。

第17回「西郷入水」、あらすじと感想です。

前回の第16回「斉彬の遺言」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

西郷どん 第16回「斉彬の遺言」のネタバレとあらすじと感想。

それでは、第17回「西郷入水」のあらすじと感想です。

斉興の復権

島津斉彬(渡辺謙さん)は亡くなる前、次の藩主を自身の嫡男、哲丸ではなく、久光(青木崇高さん)の嫡男、茂久(中島来星さん)とするよう、久光に言い残していました。

薩摩に帰ってきた父、斉興(鹿賀丈史さん)に、久光は次の藩主を茂久にする事を許してもらいました。続けて久光は、斉彬の遺志である、京への挙兵も斉興に報告しますが、その事に対しては、ただ笑い飛ばされただけで、はっきりとした返事はもらえませんでした。

新しい藩主の茂久が、後見の久光と家臣たちを集めて、斉彬の遺志である、京への挙兵を発表しようとした席に、斉興が割り込んできました。

斉興は「新しか藩主を支え、御公儀に恭順の意を示す。亡き斉彬が口にした、兵を起こし幕府に刃向かうなど言語道断である!」と斉彬がこれまでしてきた事を全否定します。

金を湯水のごとく使い、幕府に睨まれる材料を作るだけ作って勝手に死んだとし、島津は取り潰しにあうかもしれないと、家臣たちの不安をあおります。

そして過去、借金があった薩摩を立て直したのは自分であり、自分こそが薩摩を守れると宣言しました。

久光は必死に抵抗しますが、「お前に斉彬の代わりが務まるっち思っちょとか!お前が兵を率いて御公儀に勝てるち、思っちょとか!」と一蹴されてしまいました。まだ若い藩主の茂久も何も言えず、薩摩藩の実権が再び斉興の手に戻ったのでした。

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幾島去る

江戸城大奥では、徳川家定(又吉直樹さん)の死後、篤姫(北川景子さん)は、天璋院となっていました。そこへ十四代将軍、家茂(荒木飛羽さん)が、井伊直弼(佐野史郎さん)と一緒にやって来ました。

天璋院は「これよりは、私をまことの母と思うて、お頼り下さいませ。」と挨拶をします。

しかし、「母上は、私の事がお嫌いではないのですか?母上は、私が徳川の家を継ぐ事をよく思っておられなかったと聞きました。」と家茂に言われてしまいます。

天璋院はすぐ井伊が吹き込んだと分かり、井伊を見ましたが、家茂はすぐに井伊に連れられて大奥を去っていったのでした。

残された天璋院に、幾島(南野陽子さん)は、薩摩に帰る事を進めましたが、「私の帰るべき家は薩摩ではない。徳川じゃ。」と天璋院は、徳川に残ると言います。

しかし、将軍継嗣問題の勝敗は決したので、天璋院に代わってその責任を負い、幾島は京に帰る事になりました。

「古来、戦に敗れた者が咎を受けるのは当たり前の事。ご大老様にもこれで少しは示しがつきましょう。」と言って、幾島は去っていったのでした。

やはり今回の大河では、篤姫に対して厳しいですね。

2008年の「篤姫」では、篤姫が、家茂が将軍になる前に会い、いい印象を受けていて、将軍になってからも関係は良好だと描かれていたので、今回の描かれ方には驚きました。

こちらの方が実際の話に近いのでしょうか?

日向送り

吉之助ら三人は無事薩摩に着き、西郷家に駆け込みました。吉二郎(渡部豪太さん)は、詳しい事情を吉之助に尋ねることもせず、月照を西郷家で匿う事を承知しました。

吉之助は城に上がって月照を庇護するよう進言するつもりでしたが、大久保正助(瑛太さん)が止めます。斉興の復権により、幕府への反抗的な態度を示さないよう藩の方針が変わっていたのです。

正助は、妻の満寿(三村里江さん)の父の仲立ちで、家老の山田為久(徳井優さん)に取り次いでもらい、久光に、吉之助と月照の助命の意見書を渡してもらおうとしましたが、斉興の登場で、出せずじまいに終わってしまいました。

正助は郷中仲間に、吉之助と月照に「日向送り」の沙汰が下る事を告げます。「日向送り」とは、薩摩の国境、日向まで追放し、処刑する事を意味しました。

有馬新七(増田修一朗さん)たちは「このまま見殺しに出来ない。」と憤ります。大山格之助(北村有起哉さん)は「明朝、城に上がっど。」と茂久に直訴するとまで言い出します。

しかし吉之助は「今は藩の者同士が争うて、血を流す時じゃなか。おはんらが相手にせんにゃならんとは、異国じゃ。異国に言いなりの幕府じゃ。」と皆を止めます。

「もうよか。」と、仲間のなかで一番落ち着いていたのは吉之助でした。笑いまで出ていたくらいです。「まだ諦めんど。」正助は、吉之助に強い口調で言うのでした。

仲間たちがなんとか助けようと話し合うなか、吉之助はもう諦めていたのです。思わず笑ったのは、やっと死ねるとでも思ったのかもしれません。

吉之助は月照に、薩摩まで連れてきて結局救えなかった事を詫びましたが、月照は、吉之助に命を預けていたのだからと、冷静に受け止めるのでした。

まだ諦めきれない正助は、記録所で碁を打っていた久光に、吉之助と月照を助けてくれるよう頼みます。久光はいつも斉彬の側にいた吉之助の事を知っていましたが、「そんな力はない。」と正助の頼みを断ります。

正助が「久光様はこのままでよかとでございもすか。亡きお殿様のご遺志を守りたかち、お思いではございもはんか。」と言うと、久光は斉興の「斉彬の代わりが務まるか!」という言葉を思い出して激高し、正助に碁石を投げつけ、「おいをたきつけるとは無礼千万。おいは兄上ではなか!」と蹴飛ばしたのでした。

別れの晩餐

吉之助は、鰻を江戸風に背を割いて甘辛いタレに漬けて焼き、家族に振舞いました。皆喜んで食べて、吉之助も満足げに笑いました。

家族には、また役目があって薩摩を離れると伝えており、「今度は長くなるかもしれん。」と告げます。

吉之助の別れの晩餐はとても穏やかなものになりました。

一方、まだまだ諦めない正助は、再び山田のもとを訪れ斉興との面会を取り次いでもらい、「吉之助が月照を斬るなら、吉之助の命だけは助ける。」と、斉興から約束を取り付けていました。月照が死んだ後は、ほとぼりが冷めるまで藩が吉之助をどこかに隠すというのです。

その事を正助は、吉之助に伝えに来ました。

吉之助は、月照を斬るという条件を告げられた後、怒りの表情を浮かべますが、正助の「生きて欲しい。」という必死の訴えに感情を抑え、「よか。斬りもんそ。」と言います。

吉之助は「正助どん、あいがとさげもす。おいの為にそこまでやってくれて。」と頭を下げます。吉之助は正助の思いに心から感謝したのでした。

入水

正助は、吉之助と月照を乗せた舟を海岸まで見送ります。吉之助は一度だけ振り返りました。その表情は穏やかなものでした。

夜になり、吉之助は「寒うおへん。」という月照の手が震えているのに気づきます。

「なんぼ修行を積んだ身でも、未練ですな。心は死ぬと決めてても、体が生きよう生きようとして、震えます。」月照は正直に言います。

「大君のためには何かをしからん 薩摩の迫門に 身は沈むとも」と月照は辞世の句を詠みました。

一方、自宅に戻った正助は、熊吉から、吉之助が命より大切にしている短刀が飾られていると聞かされた正助は、急いで西郷家を確認します。

吉之助が死ぬつもりだと察した正助は「しもた…行かせてしもうた!」と叫び、海岸へと走り、海に向かって「吉之助さぁ~!死ぬな!死んじゃならんど!」と叫びました。

海に浮かぶ舟の上では、月照の手を両手で包み「共に参りもす。」と吉之助が言います。

「ありがとう。これで長い旅路も安心できます。」と月照が言うと、吉之助は固く月照を抱きしめました。そしてそのまま、二人は海へ沈んでいったのでした。二人の手は海の中でもしっかりと繋がれていました。

「二つなき 道にこの身を捨て小舟 波立たばとて 風吹かばとて」

今回はここで終わりです。

私は、月照さんが手を震わせているところから、二人で入水するところまで、本当に悲しくて泣いてしまいました。

慶喜の擁立運動からずっと仲間としてやってきた人を、吉之助が斬れるわけがないですよね。

もとから一緒に死ぬつもりで舟に乗った吉之助でしたが、いつも落ち着いている月照さんが震えているのを見て、「ひとりで行かせるわけにはいかない。」と、余計気持ちが強くなったんじゃないでしょうか?

正直、月照さんがこんなに感情移入してしまうキャラクターになるとは思いませんでした。

出演回は僅かでしたが、舟でのシーンで、ドラマには描かれていなかった背景が伝わって来ました。

左内も交え、京での談義もたくさんしたでしょうし、薩摩へ向かう長い道のりでも、過酷な状況を一緒に乗り越えてきたんだろうなと感じられました。

ものすごく悲しい回でした。

あと、久光もかわいそうでした。斉興は斉彬だけではなく、久光のことも認めていなかったんですね。

今回は吉之助と月照はもちろん、久光、天璋院と、苦境に立たされる話ばかりで、本当に辛い回でした。

次回は、第18回「流人 菊池源吾」です。

吉之助だけ生き残り、奄美大島に送られます。

とぅま役の二階堂ふみさんが初登場します。