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西郷どん 第39回「父、西郷隆盛」のネタバレとあらすじと感想。

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毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「西郷どん」。

2018年10月21日、第39回「父、西郷隆盛」が放送されました。

前回、長岡藩との戦いで弟、吉二郎(渡部豪太さん)を失った西郷吉之助(鈴木亮平さん)。その後の会津、庄内藩、そして箱館との戦いのなか、日本は明治へと新しく生まれ変わりました。

新政府は、大久保一蔵(瑛太さん)をはじめ岩倉(笑福亭鶴瓶さん)や桂(玉山鉄二さん)、そして西郷吉之助といった人物で動かす事になった矢先、吉之助は一蔵に「おいは薩摩へ帰らせてもらいたか。もう、おいの役目は終わった。」と全てを任せ、薩摩へ去っていきました。

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それでは、第39回「父、西郷隆盛」のあらすじと感想です。

目次

糸と愛加那

冒頭は明治37年。西郷吉之助と愛加那(二階堂ふみさん)の長男、菊次郎(西田敏行さん)が京都市長として赴任するところから始まりました。

菊次郎を迎えることになった京都市役所の人たちは、菊次郎を「西南戦争で足を負傷して義足になり、不自由だ。」とか、「錦絵の西郷さんのように犬を連れて来るかも?」など色々噂をして待っていました。当の本人の菊次郎が現れると、その風格に皆黙り込みました。

挨拶を終え、前市長の内貴甚三郎(磯田道史さん)からの引き継ぎも終わりました。助役の川村鉚次郎(川口覚さん)は、以前にも台湾で菊次郎と下で働いていました。

「父の名前を殊更、前に出して仕事をしてきたわけではありません。むしろ避けてきました。」と言う菊次郎に、川村は「しかし市長が台湾で行った、土地の者たちに寄り添う政治のやり方に感服したんです。さすが大西郷のご長男だと。」と言います。

菊次郎は西郷家の嫡男ではないのは、「菊次郎」のいう名が語っていると話します。返答に困る川村。しかし、「敬天愛人」という隆盛の言葉が書かれた額縁を見つけて、菊次郎に「今度こそ、お父上の事、教えてくださいませんでしょうか。」と菊次郎に言います。

菊次郎は「私は西郷隆盛の事を全て知っているわけではありません。いやむしろ知らない事の方が多い。」と言いながらもぽつぽつと隆盛の事を語り出しました。

菊次郎が隆盛の事を話せるのは明治2年の頃からです。その頃、隆盛は鹿児島と名を変えた故郷へ帰っていました。新政府には加わらず藩の政治からも遠ざかり、下級武士だった以前のように野良仕事を手伝っていました。その頃から「西郷隆盛」と名乗るようになりました。

菊次郎が大島から鹿児島へ呼ばれたのはその頃でした。菊次郎(城桧吏さん)を迎えに来たのは父隆盛ではなく、もう一人の母となる糸(黒木華さん)でした。糸は熊吉(塚地武雅さん)を伴い、大島の愛加那宅に来たのです。熊吉は菊次郎と菊草()が「若さぁによく似ちょいもす。」と目を細めました。

実の母愛加那と現在の父の妻、糸という微妙な関係の二人が、菊次郎を引き取る事について話し始めました。

「私は、この子を私の子と思って育てた事はあるらん。ずっと西郷吉之助様の子と思って育ててきよたっと。」緊張しながら切り出す愛加那。糸は「賢そうな子」と言い、熊吉は「薩摩には寅太郎というご子息がおられもす。菊次郎さぁが来られるのをわっぜ楽しみにしちょられます。」と優しく語りかけます。

「寅太郎」という名の、「太郎」という部分に反応する愛加那。「太郎」は、隆盛の長男である菊次郎に付けたかった名です。申し訳なさそうにする糸です。

「奥様、一生懸命育てたつりだるんば、なんせ島の子。どうか奥様のお力で一人前の薩摩の男にしてくりしょり。」と愛加那は糸に頭を下げました。糸も「はい。」と言い愛加那に深々と頭を下げました。

「旦那さぁはいつも言うちょいもす。流された島で愛加那さぁに命を救われたち。愛加那さぁがおらんかったら、自分はどげんなっちょったか分からんち。」と言って、愛加那にお礼を言うと、愛加那は激しい口調で「お礼などやめてくりしょり。お礼を言われる覚えはあるらんど。好いた人の命を守るのは当たり前のこと。」と言いました。

糸は「ほんのこて、そん通りにございもす。」と謝りました。愛加那はそんな糸の態度を見て自分も謝り「この子をよろしくお願いします。」と菊次郎を糸に預けたのでした。

明治37年の菊次郎は「その時2人の母がどんな思いだったのか、当時の私には分かりませんでした。」と振り返りました。

いや~、なかなか緊張感のある対面でしたね。今の妻としてお礼をいう糸の気持ち。今も妻と思っている愛加那の切なさ。女同士の面白いシーンを見せて頂きました。史実ですかね?実際菊次郎は引き取られてますから、誰かが迎えに行かないとならんかったわけで、糸だった可能性もあります。いや、面白かったです。

それにしても、菊次郎を引き取る必要はあったんですかね?母と妹と離れて、菊次郎も住み慣れない父の所へ行くのは辛かったでしょう。

西郷家の暮らし

この年、隆盛はそれまでの借金を返し、市中から少し離れた武村へと居を移していました。西郷家には、小兵衛(上川周作さん)も隆盛と帰って来ていて、また、信吾の妻となった清(上白石萌音さん)も加わり、再び大所帯となっていました。

そこへ糸と熊吉が菊次郎を連れて帰ってきました。川口雪篷(石橋蓮司さん)を含む西郷家の人々は、菊次郎を大歓迎しますが、菊次郎はなかなか心を開こうとしませんでした。

西郷家に加わったメンバーとしては、清の他に2匹の犬もいました。寅太郎(林田悠作さん)が菊次郎に紹介していました。1匹目が赤毛のゴジャ。もう1匹が胡麻色のツンです。人にはなかなか心を開かなかった菊次郎でしたが、ワンコはすぐに撫でていました。

この2匹のワンコがかわいかったです。ゴジャはフサフサな毛並みで触ると気持ちよさそうですし、ツンはスッとした顔立ちのイケメンワンコでした。

いよいよ菊次郎は、帰ってきた父と初対面しました。菊次郎は母から、父の事を「立派なお侍」と聞いており、実際の父を見て少し拍子抜けしました。隆盛は「よう来たな。おはんの父じゃ、よろしくの。」と顔を近づけて挨拶しました。

食事の前に、菊次郎は島風の姿から薩摩風の武士の子の姿に変わりました。小兵衛から、長男の席に座るよう言われた菊次郎でしたが、一つずれて「そこは寅太郎さぁが座るとこだりょっと。」と言うと遠慮なく寅太郎が長男の席に座りました。菊次郎は愛加那から、寅太郎が西郷家の嫡男だと言い聞かされていたのです。

翌日から菊次郎は、一人前の薩摩武士になる為に郷中の稚児や二才に交じって読み書きや剣術などを学びました。

一方、一蔵の代わりに国父、島津久光(青木崇高さん)のお側役となっていた海江田武次(高橋光臣さん)が、久光の命に従い隆盛を呼びに西郷家までやって来ました。

この年領地と民を天皇に返す版籍奉還が行われ、久光のような全国の藩主は政治的権力を失っていました。磯御殿に呼び出した隆盛に、久光は以前「薩摩の忠義と底力を天下に示せ。そいがこん薩摩の為になる。」と言った事を持ち出し、天皇を中心とした政治という形にも賛成し、版籍奉還もしたが、「蓋を開けてみれば、戊辰の戦で意気揚々と帰ってきた者どもが、わしの側近たちを追っ払い、今ではこん薩摩を乗っ取らんばかりの勢いじゃ。」と不満をぶつけてきました。

そして藩内の秩序が乱れて不満の声の数々が寄せられて、お手上げ状態になっていると言います。「こいがお前の言う御一新ちゅうことか?」と隆盛を責めます。隆盛はただそれを受け止めて、黙り込むしかありませんでした。

俊斎どん、久々の登場で嬉しかったです。最近全然出てなかったので、どうしてるんだろうと思っていました。薩摩にいるのか、東京にいるのかさえ分かってなかったですし。あと、大山さぁはどうしてるんでしょう?

東京では、参議の大久保利通と名を変えた一蔵、待詔院出資の木戸孝允と名を変えた桂小五郎(玉山鉄二さん)、大納言の岩倉具視(笑福亭鶴瓶さん)に、右大臣の三条実美(野村万蔵さん)ら公家出身の者たち、制度御用掛の後藤象二郎(瀬川亮さん)、佐賀藩権大参事の江藤新平(迫田孝也さん)、民部大輔の大隈重信大隈重信(尾上寛之さん)、大蔵少輔の伊藤博文(浜野謙太さん)らが東京城の広間で国の方針を話し合っていました。

しかし、西郷のように藩主より身分が高いという現状がいざこざの元になると慎重に事を進めようとする木戸と、改革を急ぐ大久保、後藤。江藤と大隈はそれぞれ全く違う意見を言います。新政府内で、意見がまとまらずにいました。

「たとえ不満の声が聞こえてきても、今ここで手を緩めるわけにはいかんのです。」と言い切る大久保。「手痛いしっぺ返しを食ろうて、ほえ面をかいても知らんぞ。」と木戸は言うのでした。

程なくして、木戸の予見通り、日本各地でその不満が形となって表れていました。隆盛のもとへも、不満を東京の政府に訴えに行くと、横山安武(笠松将さん)が来て隆盛に一緒に東京に行ってくれないかと請いに来ました。

隆盛は「東京には一蔵どんがおる。一蔵どんが新しか日本を作っちょとじゃ。民百姓の事もきっと考えちょっで。」と言って拒否します。横山は民百姓の事だけでなく、自分たち武士の事も考えて欲しいと訴えたいようでした。禄がもらえなくなるかもしれない事を不満に思っている横山です。

しかし隆盛は「いずれ侍の世は終わる。そいが新しか日本の姿やもしれん。」と武士の立場がなくなるのもやむなしという考えだったので動きませんでした。

何故動かなかったのか?母に熱い男だと聞かされていた、菊次郎は失望したといいます。しかし明治37年の菊次郎は、「血気に逸る者たちを出させない為。若き侍たちの命を守る為。それが己の役目だと思っていたからでしょう。」と振り返るのでした。

しかし横山は東京集議院に出向き、「今の世は幕府が新政府に変わっただけで悪政は何も変わっていない。民の苦しみを思え。」と訴え自害したのでした。

横山の死をきっかけに、士族や民衆による暴動や一揆がさらに頻発していったのです。

信吾が薩摩へ

東京の大久保邸で、大久保と岩倉が、各地の暴動について話し合っていた場に、従道と名を変え、兵部権大丞となった信吾(錦戸亮さん)が呼び出されました。

大久保は従道に会うなり、隆盛を新政府に呼び戻すよう説得を頼みました。大久保は、無駄な反乱がこれ以上怒らないようにする為に、吉之助の力が要ると言います。

従道は、それが日本中の藩を取り潰す為の布石であると察します。従道は、大久保の頼みを引き受けました。

当時隆盛は、戊辰の戦で亡くなった藩士の家を一軒一軒訪ね、御霊に手を合わせていました。幼い菊次郎は、夜一人で亡くなった藩士たちに泣いて謝り、冥福を祈っていた父の姿を見ていました。隆盛の背中は、一人で重いものを背負っているように菊次郎には見えていました。

沢山のお土産を抱えて従道が薩摩の西郷家に帰ってきました。フランス帰りの従道は、庭先でツンと遊んでいた菊次郎をいち早く見つけ「おいは叔父の従道じゃ。よろしくの。」と自己紹介し、握手をしました。引き続き妻の清に会うと、いきなり抱きしめてフランス流の挨拶だというのでした。

従道は、大人たちにフランス土産を渡した後、子どもたちには汽車のおもちゃを畳の上で走らせて鉄道の話をし、それまで笑っていなかった菊次郎を笑わせていました。

従道は、妻の清を東京へ連れて行くと言います。「嫁は家を守り、薩摩におるもんち決まっっちょっとよ。」と姉の琴(桜庭ななみさん)が諭します。しかし従道は、「フランスではどこに行くにも妻同伴じゃ。」と堂々と言います。

隆盛が「すっかいかぶれて帰って来たのう。」と言い、皆笑うのでした。

その晩従道は、隆盛にフランスの土産話をしました。

「フランスにはポリスっちゅうもんがあっての。町の治安を守る侍じゃ。おいは日本の治安を守るポリスを作りたかち思っちょっ。」と警察制度を導入してはどうかと話します。隆盛は「そいが出来れば、侍たちに新しか仕事を与えるこっが出来る。」と喜びました。

さらに従道は、隆盛に新政府へ戻るよう説得を試みました。

「おいは、戊辰の戦で大勢死なせてしもた。政する資格はなか。」と拒否する隆盛。

「おいも戦は見たくなか。もう、十分じゃ。じゃっどん、そいにはやっぱり戦わずして勝てるほどの強か軍が要る!政府直属の軍じゃ。そいを兄さぁに作ってもらいたか。戊辰の戦の英雄、西郷吉之助であれば、皆ついてくる。あれだけの犠牲を払ったんじゃ。あん者たちの命を無駄にせんでくいやんせ。」と言う従道に隆盛は心動かされました。

菊次郎が隆盛の背中を押す

糸に、東京行きを話す隆盛。

糸は「菊次郎さぁは、旦那さぁがおられるから踏ん張ることが出来っとです。そいに、愛加那さぁにも申し訳がたちもはん。引き裂くようにあん子を大島から連れて来たのですよ。愛加那さぁの気持ちを思うと…。お願いじゃってもうしばらく菊次郎さぁの側にいてくいやんせ。」と認めませんでした。

2人の会話を横の部屋で菊次郎が聞いていました。

翌朝、隆盛の前に座る菊次郎。「お話がありもす、父上。東京へ行ってくりしょり、父上。島の母からず~っと聞かされてきようたっど。お前の父上は偉いひとだっと。そいを誇りに思っていきらんばいかんどっち。自分のことより民が大事。そうでごわしたな?父上。」菊次郎は、隆盛が話を止めさせようとするのを遮って話し切ります。

隆盛は「自分のことより民が大事。」という言葉に息をのみました。「おいもいつか父上のようになりたか。民のために働きとうございもす。」と菊次郎は続けました。

そして次は糸に「母上、父上の東京行き、許してたもんせ。お願いしもす。」と言い頭を下げました。菊次郎の後ろ姿を切なそうに見る隆盛。菊次郎を見て微笑みかけました。

「私はあの時、父西郷隆盛を少しだけ理解できたように思います。」と明治37年、京都市長になった菊次郎は振り返りました。

この東京行きが隆盛の運命を大きく変えるのでした。

次回、第40回「波乱の新政府」です。

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