明治維新の三傑といえば、西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允です。江戸幕府の倒幕、維新の成功、さらに新政府の枠組み作りや近代化と、幕末から明治維新まで通して活躍した3人が選ばれ、こう呼ばれます。

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このうち、西郷隆盛と大久保利通は、通りを挟んだ隣家で育った、幼馴染だということをご存知でしょうか。2人はどのように育ち、どうやって明治維新を成功させたのか。2人は本当に仲が良かったのか、調べてみました。

子供時代

西郷は文政10年12月7日(1828年)生まれ、薩摩藩の鹿児島城下、下鍛冶屋町で生まれ育ちました。大久保は文政13年8月10日(1830年)生まれ、川向うの高麗町で誕生、のちに下鍛冶屋町の、西郷の家の通りを挟んだ家に引っ越しそこで育ちます。

薩摩藩には、武士階級の教育制度である「郷中」と呼ばれる組織があります。町ごとに6~15歳くらいの少年を集め、剣術や学問、さらには武士としての心得を学ぶのです。

3歳差の2人は、この郷中で上下関係を持ちつつ、毎日顔を合わせながら少年期・青年期を過ごします。

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倒幕にむけて

西郷は18歳のときに群方書役助という役職に、さらに島津斉彬に引き立てられ25歳のときに江戸詰御庭方という役職につきます。御庭方というのは、主君の命で諸藩の動向を探るのが仕事です。西郷は才能を発揮し、活動家としての頭角を現します。

しかし島津斉彬が赤痢で急死。異母弟の島津久光が、藩主になった19歳の息子・忠義の後見人として、実権を握ります。大久保利通は、その久光に重用され政治の舞台に。

大久保は久光に気に入られて、共に京都へ上洛し政治活動を行います。一方、西郷は久光と仲が悪く、2度も島流しにされています。大久保は、西郷と久光の双方を説得、西郷は再び表舞台で活躍します。

薩摩藩は幕府の政治改革を進めようとしますが、長州藩は過激な攘夷を繰り返し、世の中の混乱を深めます。長州を征伐するため、西郷は京都で、大久保は鹿児島で、それぞれ連絡を取り合いながら、情報収集や兵の訓練を進めます。

長州討伐後、追い詰められた長州と、政治的な考えの変わった薩摩は、倒幕派に。西郷、大久保、その他薩摩藩士が下関会談に参加し、薩長同盟を結び、共に倒幕へと歩みを進めます。

明治維新

大政奉還による政権交代を、将軍・徳川慶喜が了承し、江戸城が無血開城されます。その後、大久保は岩倉具視と王政復古のクーデターを起こし、明治新政府を成立させます。

西郷は、江戸でのテロ活動を指示し、新政府軍と幕府軍の戦争を起こします。戊辰戦争です。西郷は鳥羽伏見の戦いや上野戦争で新政府軍の指揮を取り、出羽・庄内地方にも転戦します。

この戦争により抵抗勢力が一掃され、明治政府が日本を統治する政府だと国際的に認識されるようになりました。

新政府の立ち上げ

大久保は版籍奉還、廃藩置県などを行います。また日本をヨーロッパ並みの強い国にしようと、内務卿として富国強兵策を掲げます。一方西郷は、征韓論を唱えますが、大久保らに反対されます。

不服とした西郷は、下野し鹿児島に戻りました。そして新体制に不満を持つ士族階級が集まり、西南戦争へと発展。西郷は、政府軍に追い込まれて自刃することになります。1877年、享年49歳でした。

その1年後、大久保は暗殺され、47歳の人生に幕をおろします。

2人の関係は?

子供の頃からの友人として、同じ学び舎で育った2人。それぞれが活躍するきっかけは、西郷は島津斉彬公に、大久保は島津久光公に引き立てられて、と経緯が違いますね。そこから倒幕、維新までは2人は協力しあっています。

しかし、明治新政府の中で、朝鮮に対し武力行使をしたがる西郷と、まだ早いと内政を整えようとする大久保の間で、決定的な亀裂が生じたようです。

少年期はほぼ毎日一緒に過ごしたという証言や、島津久光との中を取り持ったりしたことから、2人の仲はよかったのだと思われます。また、大久保が西郷の征韓論に反対したのは、西郷は使者として朝鮮を訪れ、そこで死ぬつもりで、それを止めるためだったという、大久保の次男の証言があります。

西郷は、面倒見がよい性格などから、民衆の人気が高いです。一方大久保は、島津久光に取り入ったり、新政府でも着実に地位を固めたり、権力に固執しているように見える面も。そういった2人は最後仲違いのように別れてしまい、そのまま西郷は戦死したので、仲が悪いイメージもあります。

まとめ

2018年大河ドラマの「西郷どん」では、西郷隆盛は鈴木亮平さん、大久保利通は瑛太さんが演じます。登場人物紹介では、盟友・ライバルと記されているので、仲の良い幼馴染というよりは、お互い切磋琢磨するような関係で描かれるのではないでしょうか。

西郷隆盛が大河の主役となるのは、1990年の「翔ぶが如く」以来です。林真理子氏著作の「西郷どん」原作は、政治的な物語というより、西郷隆盛の人間的な部分を深く描いた作品となっています。歴史作家・司馬遼太郎の「翔ぶが如く」とは違う、新しい西郷と大久保の姿が、描き出されると期待しています。